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2016年度診療報酬改定で、看護師が認知行動療法をできるようになる?

2016年度診療報酬改定で、看護師が認知行動療法をできるようになる?

2016年度に行われる診療報酬改定。それに向けて昨年末、厚生労働省は、うつ病などの気分障害の患者に対する「認知療法・認知行動療法」看護師が行った場合にも評価するという方針であることを明らかにしました。

これによって、精神科の診察はどのように変わってくるでしょうか?

 

2016年度診療報酬改定の内容

認知行動療法は、精神療法のひとつです。2010年度の診療報酬改定で点数化されており、現在も外来診察で行うことは可能です。
しかし、点数を加算するには以下のような条件があります。

  • 入院中以外の患者に対し、認知療法・認知行動療法に習熟した医師が一連の治療計画を作成する
  • 患者に説明を行った上で計画に沿って治療を実施する
  • 診療に要した時間が30分を超えている
  • それら一連の業務は、すべて医師が行うこと

これらの条件が満たされた場合にのみ、保険適用となるのです。

しかし、これらの条件を持って、外来通院で認知行動療法を行うことは難しいのが現状です。
認知行動療法を届け出ている医療機関は、わずか601施設にとどまっており、普及しているとは言い難い状況なのです。

 

この状況を改善するために提案されたのが、看護師による認知行動療法の実施なのです。
提案内容は、以下のようなものになっています。

  • 初回の面接は医師が実施し、担当看護師が同席する
  • その後、医師が治療計画を立案。次回以降の面接の方向性や留意点などを担当看護師に指示する
  • 2回目以降は担当看護師が30分超の面接を実施
  • その後続けて、医師が5分超の面接で進捗を確認。必要に応じて、医師は看護師に指示や指導を行う。
  • 最後の面接で、これまでの面接を振り返りながら医師が30分超の面接を実施。再発予防などについて確認し、指導を行う。

この内容で改定が行われた場合、これらの条件を満たすことができれば保険適用が可能となります。

精神療法といえば、臨床心理士やカウンセラーが行うというイメージもありますが、現時点では、「医師の指示に基づく診療の補助の一環として」看護師の参加を提案することになったようです。
2017年には公認心理士が国家資格化することが決まっており、将来的には、看護師以外の資格を持つ専門家も参加できるようになるかもしれません。

 

外来診察はどのように変わるか

現在、外来診察を行う病院やクリニックには、看護師がいないことも多いです。
医師の診察と受付のみという形で運営しているところが多くあり、この条件で認知行動療法を行うためには、新たにスタッフとして看護師を雇う必要性が出てきます。
クリニックを経営する側としては、まずはそこがネックとなるでしょう。

しかし、患者側の立場から考えると、薬物療法以外の選択肢が増えるということは、大きなメリットでもあります。
日本うつ病学会治療ガイドラインでも、軽症のうつ病には選択肢となりうるとされており、新たな治療効果の可能性も見えてきます。

これまで、認知行動療法を受けたいと希望していたにもかかわらず、通院している病院にはなかった、保険適用できなかったという理由であきらめていた患者には朗報でもあります。
看護師がまとまった時間関わることで、安心感にもつながるかもしれません。

外来に新たなシステムを作ることは、経営側にとっては大きな課題です。
しかし、医師以外にも行える道が増えることで、外来診察の選択肢は大きく広がるかもしれません。

 

2016年度、どのように変わっていくか、期待してみたいと思います。

 

参考リンク
うつなどの認知療法、面接の一部を看護師に- 厚労省、16年度改定に向けて提案|CBNews

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