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家族でうつ病になることの現実と、乗り越えていく難しさ

家族でうつ病になることの現実と、乗り越えていく難しさ

私たち夫婦は、2人ともうつ病経験がある。私は既に寛解していて、夫は現在回復期。

ようやく夫婦共にうつというものから脱しつつあるけれど、2人してうつになるというのは、結構やっかいなものなのです。

 

家族もうつ病になってしまう理由

私たち夫婦の場合、出会ったときに私が既にうつ病でした。一緒に過ごしていく過程の中で、夫が発症してしまったのです。

私の発症した原因は夫とは全く関係ないけれど、夫が発症した原因は8~9割は私にあると思っています。病気の人間を抱えるというものすごいストレスがかかっていたから、夫は発症した、私はそう思っています。
私が夫に聞くと否定しますが、その影響は小さくはないでしょう。

私の夫の場合、相談できる相手がいなかったこと、もともとストレス耐性が強くなかったことが、そのストレスに追い打ちをかけたのではないかな、と思います。
今まではそれでもなんとかやってこれていたのに、うつ病の妻を支えるという、彼に取って過去最大の過酷な状況で、夫は潰れてしまったのでしょう。

うつ病は、今でこそ誰もが知る病気になったけれど、まだまだ偏見が多く、理解も少ないです。それ故に、まわりに話しにくいという現実があります。その現状が、患者を支える家族が孤立させてしまうのです。

外では何もないように振る舞って、家に帰ってきたらうつ病の家族と過ごさなくてはならない。支えなくてはならない。「大丈夫だよ」って。
そんな毎日を積み重ねて、気が付いたら自分も暗い気持ちで支配されるようになっていた…なんてことは、少なくないでしょう。少なくとも、私の夫はこのパターンだったんだと思います。

 

家族でうつ病を乗り越える難しさ

家族でうつになってしまった場合、回復するのが難しい。これは一般論じゃなくて私の経験談だけど、 実際に他の人がなってもそうじゃないかと思います。

例えば、どちらかが落ち込んでいるとき。片方がうつ病でないなら、どうにか明るい方向へ持っていこうとすることができるでしょう。
けれど、どちらもうつ病だった場合、お互いのうつ症状が相手のうつ症状を引き起こすきっかけになり、悪循環に陥ってしまいます。どちらかの調子が上向いたとしても、どちらかの調子が悪くなってしまうと、それにつられてまた悪くなってしまうのです。

最悪の場合、2人で心中しよう…なんてことにもなりかねません。私たち夫婦の間にも、「2人で死ぬか」なんて言葉がちらりと出てきたことがあるくらいです。
うつ症状がひどいと外に出ることもできないから、止める人もいません。見つけてくれる人も、もしかしたらすぐには現れないかもしれません。そんな大きなリスクが、「家族うつ」には存在しているのです。

また、家族でうつ病になり働けなくなってしまった場合、生活が成り立たなくなってしまいます。
休職して傷病手当金をもらうとか、生活保護とか、なんとか切り抜ける手段もあるけれど、2人してうつ状態だと手続きも困難になるかもしれません。調べたり誰かに聞いたりもできなくなってしまう可能性もあり、あるはずの手段を知ることもできなくなってしまいます。

日常生活の面においても、食事を作ったり掃除をしたりということができなくなって、うつ病を治すための十分な環境が作れなくなってしまいます。
栄養や休養をとることは、うつ病を回復させるのにとても重要です。だからこそ、日々の生活がきちんと送れないと悪化の一途を辿ってしまいます。日常生活を支える人がいなくなってしまうということは、うつ病を回復させるためには大きな問題となるのです。

 

家族でうつ病になってしまった人をどう支えるか

こういった問題を解決することは、ひとつの職種やひとつの組織では難しいでしょう。

通院先の病院、自治体、勤務している会社、各種サポートを行っている団体などが、それぞれで持っている情報を共有できるようになることが理想なのかな、と思います。が、実際のところ、それを早い段階で実現することは難しいでしょう。

今できることは、そんな人たちのセーフティネットとなる場所をひとつでも増やすこと。そして、少しでも当事者へつながりやすい形にすること。わざわざ出向かないといけないとか、電話がつながらないとか、予約が◯週間待ちとか、そういう状況を何らかの形で打破しなくては、本当に必要なときに頼ることができません。

そしてもっと大事なことは、当事者たちが「頼ってもいいんだ」と思えるような社会であること。誰かに頼ることに、恥ずかしさを感じたり遠慮をしてしまったりすることがないよう、社会全体で「つらいときは頼ってもいいよ」と言ってあげられるような風潮でなくてはいけないのではないか、と思います。

 

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私たち夫婦がどうにか、あと少しでうつから抜け出せる、というところまでこれたのは、発症と経過に大きなずれがあったのが幸いだったんだと思います。私のうつが回復してきたところでの夫の発症だったから、なんとか持ちこたえられたのでしょう。

けれど、それでも症状の波のようなものはあって、夫が発症した当初は私自身もつらかったです。これが、私の症状が重い時の発症だったらと思うと、少し怖くなります。

家族だけで困り果てて、追い詰められてしまう前に。家族みんなで動けなくなってしまう前に。少しだけ勇気を出して、誰かに助けを求めてほしいなと思います。

 

※この記事は、「GOOD!! Log」の記事を加筆・修正したものです

 

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