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うつ病患者が復職するとき、家族が願うことー今日も「おかえりなさい」を言えますように

うつ病患者が復職するとき、家族が願うことー今日も「おかえりなさい」を言えますように

夫の仕事からの帰宅が遅くなると、いつも不安になります。いつもの時間より遅くなってくると、だんだんそわそわしてきます。
いつ帰ってくるかな、事故にあったりしていないかな、嫌になってどこかへ行ってしまったりしていないかな…と。

そんな時はいつも願ってます。はやく「おかえりなさい」が言えますようにと。

 

送り出す不安と迎えるまでの不安

うつ病患者が目指すゴールは、社会に復帰すること。
方法はいくつもあるけれど、多くの人が選択するのが元の職場へ復帰すること、あるいは転職して新しい職場に就くことです。

復職して、また通勤を始めたところで、すぐにうまくいくわけじゃありません。
毎日毎日不安と戦って、朝を迎えることを恐れながら、時間をかけて徐々に徐々に慣らしていって。
本当に少しずつ、社会へ戻っていくその過程は、家族にとっても不安の連続です。

ちゃんと朝起きられるかなって心配から始まって。
電車に乗れたかな、途中で降りたりしないかなって通勤してる姿を想像して。
仕事中に具合悪くなったりしてないかなってドキドキして。
もうそろそろ終わる時間かなって少し安心して。
まっすぐ帰ってくるかな、疲れてないかなって家の中をうろうろして。
ちょっと遅くなったら、事故に遭っていないか、もう嫌になってどこかへ行ってしまったんじゃないかって、胸が苦しくなって。

何も手につかないような不安の中、玄関のドアが開いたら心底ホッとする。あぁ、今日も「おかえりなさい」って言えて良かったって。

 

きっと、支える側の家族の誰もが、こんな心配を抱えているはず。そしてそれは、意外と人に知られていない孤独な不安。

もしも、「おかえりなさい」が言えなくなってしまうような日が来たらーーーきっと、自分を責めてしまうでしょう。
どうして無理をさせたのか、助けてあげられなかったのかと。

 

うつ病は家族と一緒に乗り越えるもの

うつ病の家族がそんな思いを抱えていること、私は自分が実際にその立場になるまで気が付きませんでした。
私が支えられる側だったとき、夫はこんなにもつらい思いをしていたことを知りませんでした。
想像する余裕もなかったし、彼があえて弱さを見せなかったからかもしれません。

両方の立場を経験した今なら、わかります。
うつ病になった本人と同じくらい、家族もつらいんだって。がんばっているのは、家族も同じなんだって。

うつ病はひとりで治す病気じゃない。家族をはじめとした支える人たちと一緒に、乗り越えていく病気。
だから、本人と同じように、家族も孤独を感じる状況であってはいけないんです。

本人と家族とでお互いに、気持ちを共有することも大事。そして、家族が他にはけ口を持つことも大事です。
その孤独をさらけ出せるような、ひとりじゃないと感じられるような、そんな場所を持つことが必要だと思います。

 

不安だからこそ、コミュニケーションを取ろう

復職は、本人も家族も不安なものです。毎日通勤できるのか、ちゃんと仕事はできるのか、元のように働けるようになるのか、と。

でも、どんなに不安でも、いつか社会に戻らなくてはならない時が来ます。どんな形であれ、生きていくには社会との接点が必要となるから。長く療養したとしても、いつかは社会へ戻ることを考えるタイミングがやってきます。

その大きなハードルを乗り越えるために重要なのが、患者本人と家族とのコミュニケーションです。
復職に踏み切るまでの思いや不安、復職し始めてからの症状の変化、帰宅してからの疲労度。細かいことでもいいから、互いに伝え合うことが重要なのです。

もしも、あまりに症状の変化が大きすぎるようなら、いったん仕事をやめた方がいいかもしれないし、早めに医師へ相談する必要が出てくるかもしれません。
その判断をするのに役立つのが、普段のコミュニケーションです。

マメにコミュニケーションを取っていれば、家族は状態の違いに気がつくことができます。
違いに気がつくことができれば、大きく悪化する前に、手を打つことができます。
休むことを繰り返すのを不安に思うかもしれませんが、無理に仕事を続けるよりも、実は近道になることもあるのですから。

また、患者自身も、家族とコミュニケーションをとることで救われることがあります。
心配してくれる人がそばにいるということ、客観的に自分を見てくれる人がいることは、安心する材料のひとつになるし、狭くなった視野を広げるきっかけにもなるのです。

不安だからこその、コミュニケーション。短い会話でもいいから、ぜひこまめに取ってほしいなと思います。

 

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うつ病を経験した方に聞くと、やはり復職は大きなハードルだと話します。患者が感じているのと同じくらいに、家族にとっても大きなハードルでしょう。

焦らず、ゆっくりと。家族とともに、1歩1歩確かめながら進んでいけたら、復職への道は少し緩やかになるのかもしれません。

 

 

※この記事は、「GOOD!! Log」の記事に加筆・修正をしたものです

 

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