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精神科ナースが考える、心の病気との向き合い方

精神科ナースが考える、心の病気との向き合い方

精神科病院で働くようになって、毎日のように患者さんと向き合ってきました。看護師として、そして症状は違えど、同じように心の病気を経験してきた人間として、心の病気との向き合い方について考えてみました。

「心の病気」の難しさ

心の病気は、本当に難しいと思います。

原因がはっきりしておらず、明確な治療方法(効果を可視化できる方法)が存在しません。
社会的にその存在が認められてきたとはいえ、まだまだ病気に対し強い偏見があります。

それゆえ、自分や家族など大切な人が病気になってしまったときに受け入れることが難しいことも多くあります。
病気になってしまったことを「恥ずかしい」と思い、まわりの人や適切な専門家頼ることにさえ、抵抗を感じる人もいます。

心の病気にかかる人は年々増えていますが、もしかしたらそれは氷山の一角で、把握できていない患者も多く存在するのかもしれません。

 

 

受け入れることの大切さ

心の病気と付き合っていくには、まずはその事実を受け入れることが一番大事なのではないかと思います。

症状があるにもかかわらず、病気になったことを認められずに、「心の持ちようでなんとかなる」と考えている人もいるかもしれません。
けれど、そのように放置しているとどんどん悪化してしまうことにもなりかねません。

病気になったことを、まず当事者や家族が受け入れて、その上で何をするのが適切かを考えることが必要でしょう。

 

薬が全てではない

心の病気の治療としては、薬による治療が第1選択となることが多いです。
眠れないという症状があれば眠れるように、不安が強ければそれを抑えることができるように、と、症状に合わせて薬は選択されます。

けれど覚えていて欲しいのは、薬が全てではないということ。
もちろん、薬が大きな効果をもたらしてくれることも多くあります。けれど、それと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なこともあるのです。

それは、心の持ち方や考え方のクセを変えることであったり、生活習慣や環境を見直すことであったり、重視すべきことは人によってさまざまです。人によっては、それらが薬以上に効果をもたらすこともあります。

何が自分を追い詰めているのか、生きにくくしているのか。それらを時間をかけて見直していくことも、心の病気と向き合うために大切なことです。

 

 

まわりの人の支えが必要不可欠

そして、心の病と向き合っていくのにもうひとつ大切なこと。それは、まわりの人々の存在です。

私は、心の病をひとりで乗り越えることは難しいことだと思っています。
そばにいる家族や友人、医療機関などのスタッフ、行政の人など多くの人の関わりを経て、少しずつ乗り越えていくもの。そんなふうに思っています。

病気の当事者は視野が狭くなってしまって、必要な支援に手を伸ばすことが難しい状況にあります。
そんな人たちに対して、手を伸ばせるように導くことが、家族など近くにいる人々ができること。そして、その手を取って適切な支援を届けることが、私たちの役割です。

だから、病気になったときには、躊躇せずにまわりに頼って欲しいと思います。具体的に「こうして欲しい」と言えなくてもいいんです。
「たすけてほしい」その一言だけでも言うことができれば、問題は解決へと近づけることができると思うのです。

 

 

心の病気は、知れば知るほど難しいなと感じます。でも、病気になってしまったからといって、人生が終わるわけではありません。

乗り越えるためのヒントは、誰でもきっとどこかにあるはず。看護師として、接する人ひとりひとりと、そのヒント探しを一緒にしていきたいと思います。

 

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