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15年にわたるうつ病の苦しみの先に見えた光ーMさん(40代男性)の場合ー

15年にわたるうつ病の苦しみの先に見えた光ーMさん(40代男性)の場合ー

今回、心の病の体験者としてお話を伺ったのは、Mさん(40代男性)です。もう15年以上もうつ病と闘ってきたというMさん。インタビューする中で見せた顔は、長い闘病経験を感じさせないものでした。

仕事がきっかけでうつ病に

プログラマーとして企業で働いていたMさん。それまで順調に過ごしていたそうですが、仕事の内容が変わったことをきっかけに、心身の調子が悪くなっていったそうです。

「プログラマーとして働いていたのに、営業もやらなければならなくなったことがきっかけでした。もともとコミュニケーションが得意ではなくて、人と話すことがストレスでした。仕事の内容が変わってから1〜2か月くらいで、調子が悪くなってきました」

 

「ちょうど梅雨だったから、それでなんとなくだるいのかなと思っていたけれど、そうじゃなかったみたいで。職場の寮の5階の窓からずっと下を見下ろしていたりとか…。ある日、仕事中に訪問先の建物に入ろうとした時に『おかしい』と思って、心療内科を受診することにしました。けれど、受診しようと思って心療内科に電話したら、初診は2週間待ちとかで…。なんとかその間働いて、ようやく受診しました。」

 

 

「自分は本当に治るのか」という心配

心療内科を受診した後、Mさんは仕事を休職します。

 

「最初は1か月くらい休職して復帰しました。復帰しても調子はあまり良くなくて、寮の食堂まで自力で行けずに、食事を運んでもらったりしてました。」

 

「その後、結局また休職することになってしまって。そのときは1年半〜2年くらい休みましたが、復帰できずに最終的に退職してしまいました」

 

仕事に復帰することができず退職したMさんは、実家へ戻って静養することに。

 

「実家へ戻ったものの、以前住んでいた場所からは引っ越していたので、知り合いも知ってる場所も何もない状態。必要以外は、ずっとベッドの上で過ごす毎日でした。」

「引っ越しに伴って、通院する病院も変更になったのですが、そのときの医師はあまり信用できませんでした。何かあったらすぐ薬を変更するだけで、あまり話も聞いてもらえなくて。ただ薬を取りに行くだけになってました」

 

 

ようやく見えた回復の兆し

なかなか自分に合った治療方法を見つけられず、長い間うつ病と闘っていたMさん。ここ最近になって、ようやく回復の兆しが見えてきたとのこと。

「自分の心や過去のことを向き合うためにセラピーを受けたのが、とても良かったです。ずっと引きずっていた家族の問題に目を向けることができるようになりました。昔は負い目があったんですが、今は家族に対して感謝できるようになりました。話せたという安心感を得られたことで、心の持ち方が変わって、前向きになれました」

 

ほかにも、人間関係の改善を図ったことがうつの回復につながったそうです。

「付き合っていた彼女と別れたことも、良くなってきたきっかけです。あのときは、彼女も心の病を抱えていたので、2人で共依存状態になっていたんだと思います。その状態からはなれることができたのも、回復へ向かったきっかけになりました」

(※共依存…自分と特定の相手が、その関係性に過剰に依存してしまっている状態。)

 

徐々に症状が回復するに向かって、まわりからの見え方も変わってきた様子。

「ずっと働くことができませんでしたが、今は家でできる仕事を中心に働けるようになりました。知り合いや友人にも『うつ病だと感じない』と言われるくらいです。以前から行きつけだったお店で店員さんと仲良くなれたり、『楽しそう』『明るくなった』と言ってもらえるようになりました。」

 

 

インタビューを終えて

今の状況をそんなふうに話すMさんは、長くうつ病を患っていたと感じさせない笑顔でした。自分の心と向き合う勇気を持てたことは、これから先の人生にも良い影響となるのではないかと感じました。
どんなにうつ病を患っている期間が長くなったとしても、良くなる可能性はあるんだと感じさせてくれた、Mさんの体験談。今、なかなか良くならずに苦しんでいる人も、どこかに回復のきっかけはあるのではないかと思います。

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